2026.10.18
【Fragrant Earthからの便り】 _Letter.2 “生きている植物の香り”
第2回となる今回は、伝統の蒸留技法と、機械や化学では再現できない「生きている植物の香り」についての言葉をお届けします。
▽コラム連載 第1回はこちら
※本コラム内では、メッセージのキーワードとなる英語本文の抜粋と、日本語部分はメール翻訳文よりお届けいたします。
【Fragrant Earthからの便り】
_Letter.2 “生きている植物の香り”
Pure Essential Oil Versus a Reconstructed Aroma
The words “essential oil” can sometimes disguise substantial differences in quality.
純粋なエッセンシャルオイルと再構成された香り
「エッセンシャルオイル(精油)」という言葉の裏には、品質における大きな違いが隠されている場合があります。
特定のオイルに対する世界的な需要は非常に大きい一方で、本物の植物原料の供給量は、栽培面積、気候、収穫状況、そして自然な収穫量によって必然的に制限されます。
現代の分析研究により、エッセンシャルオイルへの不純物混入や改ざんが、国際市場において依然として深刻な問題であることが明らかになっています。
フレグラントアースは、単に可能な限り安価な価格を実現するために 自然を再構成すべきだとは考えていません。
私たちが本物のエッセンシャルオイルを販売する際、そのオイルが植物そのもの、その産地、そして蒸留の過程をありのままに体現しているものであることを目指しています。
Lavender Is an Excellent Example
Lavender demonstrates why price alone is a very poor way of judging an essential oil.
ラベンダーは好例です
ラベンダーの例を見れば、価格だけでエッセンシャルオイルの良し悪しを判断することがいかに不適切であるかがわかります。
真正ラベンダー(【Lavandula angustifolia】)の生産量は限られています。
一方、ラバンディンのような収量の多い交配種は、はるかに多くの精油を採油できるため、一般的に生産コストを低く抑えることができます。
また、合成リナロールや合成酢酸リナリルといった芳香成分も市販されています。
そのため、単に「ラベンダー」とだけ表示された安価な製品を、特定の産地や標高で丁寧に栽培され、品種が正確に特定されたオーガニックの真正ラベンダーと、単純に同列に比較することはできません。
実際、市販のラベンダーオイル(精油)に関する近年の科学的分析では、真正性(純粋さ)に大きなばらつきがあることが確認されており、合成香料成分、その他の混入物が含まれるサンプルも特定されています。
もちろん、安価なオイルがすべて不純物を含んでいるわけではありませんし、価格そのものが品質を保証するものでもありません。
しかし、産地、植物学的品種、トレーサビリティ(追跡可能性)、そして供給業者の誠実さがいかに重要であるかという点は、こうした事実が如実に物語っています。
Bulgarian Rose – An Extraordinary Natural Material
Rose provides perhaps the clearest illustration of why genuinely fine essential oils cannot be compared simply by the price of a bottle.
ブルガリアン・ローズ ― 類まれな天然素材
「真に上質なエッセンシャルオイルの価値は、単なるボトルの価格だけでは比較できない」ということを、バラほど如実に物語るものはないでしょう。
フレグラントアースのローズオットーやその他のローズ関連製品は、ダマスクローズ(【Rosa damascena】)の栽培と蒸留において世界的に名高い産地の一つであるブルガリアから調達されています。
ブルガリアの「バラの谷」は、何世紀にもわたってバラの栽培とローズオイルの生産を専門的に行ってきた地域です。
降雨量、湿度、気温、周囲の山々、そして土壌といったこの地特有の気候条件が、ブルガリアン・ローズオットーを世界で最も高く評価される芳香素材の一つへと押し上げました。
バラの花は非常に繊細です。その収穫には多大な労力を要します。
エッセンシャルオイルの採油率は極めて低いものです。
ごくわずかな量のローズオットーを生産するためには、摘みたてのバラの花びらが膨大な量必要となります。
それゆえ、本物のローズオットーは常に貴重な素材とされてきたのです。
そのためフレグラントアースでは、国際的な商品(コモディティ)としての最安値を基準に素材を仕入れるのではなく、産地や品質の確かさを重視して選定を行っています。
その違いは、上質な天然ローズオットー(精油)が持つ、類まれな複雑さ、奥行き、そしてその個性において実感していただけることでしょう。
Our Floral Waters Are Not Simply Perfumed Water
The same philosophy applies to our floral waters, hydrolats and hydrosols.
These should not be regarded as water to which a fragrance has simply been added.
当社のフローラルウォーターは、単なる「香料入り水」ではありません。
フローラルウォーター、ハイドロラット、ハイドロソルといった製品すべてにおいて、私たちは同じ哲学を貫いています。
これらは、単に水に香りを加えたものとして扱われるべきではありません。
フレグラントアースのフローラルウォーターはアルコール不使用であり、その多くは伝統的な銅製蒸留器を用いた製法で作られています。
銅製蒸留器による蒸留は、古くから伝わる高度に専門的な技術を要する工程です。
植物原料、水の品質、蒸留器の仕様、温度、圧力、蒸留時間、そして蒸留職人の経験といったあらゆる要素が、出来上がる芳香蒸留水の特性を左右します。
本物の蒸留フローラルウォーターには、その原料となった植物特有の香りの個性が息づいています。
したがって、私たちが目指しているのは、単に香り付きの水を作ることではありません。
私たちが提供したいのは、真正な植物由来の製品なのです。
Why Copper Distillation?
Traditional copper stills continue to be valued by specialist distillers around the world.
They require knowledge, maintenance and considerable skill to operate correctly.
なぜ銅製の蒸留器を使うのか?
伝統的な銅製蒸留器は、世界中の専門的な蒸留職人たちから今なお高く評価され続けています。
これらを適切に扱うには、知識やメンテナンス、そして高度な技術が求められます。
フレグラントアースにとって伝統的な蒸留法が重要なのは、単に香りを抽出することだけでなく、植物そのものや、その生産に関わる職人技に敬意を払っているからです。
すべての植物が全く同じ方法で蒸留されるわけではありません。植物によって最適な方法は異なり、その植物の魅力を最大限に引き出す方法を知ることこそ、専門の蒸留職人の腕の見せ所なのです。
これは、工業的な標準化とは対極にあるものです。
私たちは、自然の恵みである収穫物が、毎回全く同じ香りになることを求めてはいません。
自然は年ごとに変化するものであり、それこそが、本物の天然素材を特別なものにしている要素の一つなのです。
Fixed and Vegetable Oils Matter Too
Our philosophy does not stop with essential oils.
植物油もまた重要です
私たちの理念は、エッセンシャルオイルだけにとどまりません。
植物油の品質もまた、その植物の由来、栽培方法、鮮度、抽出法、そしてその後の取り扱いによって決まります。
良質な植物油とは、単にエッセンシャルオイルを希釈・混合するための「キャリア(基材)」ではありません。
プロフェッショナルなアロマセラピーやスキンケアにおいて、それらは完成した製品の大部分を占める重要な要素であり、したがってその品質は極めて重要です。
私たちは一貫した理念のもとで素材を選定しています。
それは、「入手可能な限り最良の植物素材を用い、人の手を加えることを可能な限り最小限に抑える」ということです。
_【Letter.3】へつづく

