BRITISH STYLE
AROMATHERAPY
アロマセラピーは植物の有効成分を凝縮したエッセンシャルオイル（精油）を使って行う自然療法です。
健康、美容、精神や感情の健康を保つために世界中で使われるようになりました。
植物の有効成分を利用するのでハーブや漢方と同じに思われがちですが、ハーブや漢方では主に植物そのものを使うのに対して、アロマセラピーでは植物から採取した「精油」を使います。
ライフスタイルとして定着する
英国流アロマセラピー
一般にフランスでアロマセラピーというと医療を目的として活用されています。これに対してイギリスでは、主に香りとマッサージによるリラクゼーションや美容を目的として利用してきました。
アロマセラピストと呼ばれる専門家によって施させるなど、医療とは区別され心身のリラックスやスキンケアに活用されています。日本で一般的に言われているアロマセラピーはイギリス式に近いスタイルになります。
英国の人々は、毎日当たり前のようにエッセンシャルオイルやハーブに接しています。例えば、料理の時には、スパイスを入れるようにエッセンシャルオイルを使ったりします。
子羊の上にかけるミントソースに使うミントや、ドレッシングに使うクローブやにんにくの粉などがそうです。たくさんの甘味はエッセンシャルオイル、またはそれらを使ったものから作られています。
調味料としてアニスの実やその実（キャラウェー）も使われることも多々あります。
また、お出かけの際にも英国のお母さんたちはラベンダーのボトルをバッグに忍ばせています。子供が転んで膝をすりむいた時や、汗が出てきてあせもが心配な時、そんなシーンでごく自然に活用しているのです。
ハーブとオイル利用の歴史
私たち人類は、はるか昔から、香りのある植物に様々な魅力を感じ利用してきた歴史があります。
実際に、薬効は古代から知られ、治療などに使われていました。
世界各地で下記のような記録が残っています。
古代エイジぷとの僧侶や医師は、スギのオイルを薬、死体の防腐処置、そして宗教の儀式などに利用していました。
古代ギリシャの人々は、香りのあるものは神が作られた物だと信じ、薬品や化粧品に使っていました。
古代ローマ人は、マッサージなどに香りのある植物のオイルを使っていました。
パフュームという言葉はもともとラテン語”Par Fumare”煙を通るという意味をもち、今日知られるお線香が語源です。
多くのオリエンタルの国々では、宗教や精神洗浄、または、お葬式やお祈りで、ハーブなどを焼いて使うことが多くあります。
香りのあるハーブは、昔から東部では宗教や薬品として使われ、ネイティブアメリカンインディアンは、焼いて煙を作り治療などの儀式に使ってきました。
エッセンシャルオイル
エッセンシャルオイルは精油とも呼ばれ、植物が持つ揮発性の芳香物質を含む有機化合物です。大抵のエッセンシャルオイルは香りのある植物の花、葉、幹、枝、木の皮、種子などを原料に蒸留法で抽出します。
例えば、カモミールオイルは花の頭の部分を、レモンは皮の外側、ペパーミントは植物全体、サンダルウッドは木の心材を使います。
ハーブの質量に対し0.01％〜0.2％程度しか含まれいないため、数滴作るのにも大量の植物または植物の部分が必要で、同じ原料を何度も繰り返し蒸留します。エッセンシャルオイルは100%天然物質であり、人工的に合成した物質を一切含みません。いわゆる油脂とは全く異なり、脂肪分が多くなくあまり油っぽくなく、揮発性のため蒸発しやすいものです。
普通のオイルと違い何かについた時ほとんどしみを残しません。ひとつのエッセンシャルオイルの中に多数の成分が含まれていることがほとんどです。ちなみにアロマオイルは、芳香浴などを楽しむ目的でエッセンシャルオイルをアルコールやキャリアオイルなどで希釈したもので、全くの別物です。
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